講師・登壇 アドビシステムズ株式会社

UX道場 Meetup 02「受託のWebデザイナーでもできる実践的UXデザインことはじめ」レポート

こんにちは。XDUnit研究員の東中です。
2018年8月10日(金)に大阪で行われた、アドビシステムズ株式会社が主催のイベント・UX道場 Meetup 02「受託のWebデザイナーでもできる実践的UXデザインことはじめ」をXDUnitがお手伝いをさせていただきました。また理事のワラが第3部のトークセッションに登壇いたしました。
当日の様子をレポートします。

企画段階でデザイナーが出すべきアウトプットとは
―UXデザインドキュメントの力を活かして―

伊原 力也 | freee株式会社 デザイナー / IA/UX

受託制作の現場で、”発注側”と”受注側”、”ディレクター”と”デザイナー”の意識のズレをどうすれば解消できるのか、というお話。
いきなりワイヤーフレームやビジュアルデザインを作り込むのではなく、ペルソナ・カスタマージャーニーマップ・構造化シナリオなどのUXドキュメントで要件を可視化して、合意を取りながら進めることが、面倒なようでいて結局は手戻りを減らし効率化につながる。可視化はデザイナーの得意分野ですから、こういったところからWebデザイナーが”UXデザイン”に関わっていけるようになるのではないか、という提案でした。

伊原さんのお話の中で「合意形成」というキーワードが何度も使われていたのが印象的でした。
私は普段は発注側に近い立場で仕事をしていますが、つい「伝えたつもり」「指示したとおりに作ってくれたらいい」となりがちです。面倒がらずに背景や目的まできちんと伝えなくてはと気を引き締め直しました。

ちなみにAdobeXD(UI/UXデザインツール)は、・起動が早く操作感がよい・スマホでリアルタイムに確認できる・コメント機能が便利、とのことで、チーム内の合意形成を促進するツールとしてオススメされていました!(宣伝)

UXデザインドキュメントの作成体験ワーク


第2部はワークショップ。
参加者2−3人で1組になり、架空の案件「Adobe MAX Japanのイベントサイト制作」に向けたペルソナを作成しました。
いきなりペルソナを書き始めるのではなく、「ペルソナ・スペクトラム」を使ったり、4象限の図を使ってまずはパターンを多く作り、実際にいそうな人1つに絞っていく手順で進められました。
初対面同士のチームも多いようでしたが、みなさんすぐに打ち解けた様子で盛り上がっていたのは、会場でふるまわれたお酒のせいかもしれません。

30分ほどのワークのあと、代表の1チームが作成したペルソナを発表しました。
描写が具体的で、身近な方をイメージされているようでした。
今回は「簡易ペルソナ」だったので実際にはユーザー調査を経たものが理想ですが、まずはチーム内で同じユーザーイメージを共有することが大事なのですよね。後のトークセッションでも話が出ましたが、アウトプットを評価するときの主語が「自分」ではなく「第三者(ペルソナ)」になれたらUXへの大きな一歩なのではないでしょうか。

トークセッション「ワイヤーフレームが引き起こす問題とその本当の原因」

ワラ ツヨシ | 一般社団法人エクスペリエンスデザインユニット 理事、株式会社ペンク 代表取締役
伊原 力也 | freee株式会社 デザイナー / IA/UX

最後の30分は、3つのテーマでトークセッションが行われました。
Web制作の現場でのリアルな体験談をベースに進められ、参加者も時おりウンウンと大きくうなずいて共感しながら聞き入っているように見えました。

テーマ1:ペルソナ役に立つの?

「時間かけてまで本当に必要?」「ターゲティングとの違いは?」と感じる人も多いのではないでしょうか。
ペルソナには、単に「自転車が好きな20代女性」ではなく、どんな20代女性なのか、なぜ自転車が好きなのかといった、背景や文脈までが含まれます。
先にペルソナをクライアントと摺り合せておくことで、後の工程での意識のズレによる手戻り発生リスクを軽減することができます。
担当者の主観ではなく、ペルソナという第三者の目で、発注側と受注側が同じ目線で評価できるようになるのもメリットです。

またペルソナを作るときの注意点として

  • 「狙ってる人」「売りやすそうな人」ではなく「いる人」にする
  • 簡易ペルソナは恣意的になりがちなので、ユーザー調査を踏まえた公正中立なペルソナが理想

といった話もありました。

テーマ2:どうしたらチームになれるの?

「受注側と発注側の壁を感じるか?」という質問に、会場の半数以上が挙手されていました。
お互いのギャップに気づくのが遅れ、1週間ムダにしたという話は業界あるあるのようです。
これに対して、Webデザイン業界ではいま分業化が進んでおり、お互いが向かいあって戦う構図になっているが、例えば共通の敵が現れると団結力が生まれるように、同じ方向に向かって一緒に戦う構図を意識すればチームワークが醸成しやすいのではないか、という提案がありました。
また参加者からは、あえて未完成の状態で小まめに確認を取りコミュニーケーションの回数を増やすと仲間になりやすい、という経験談も披露されました。

テーマ3:みんなで作っていくには?

メーリングリストを作ってすべての関係者にやりとりを共有したり、GoogleドキュメントやAdobeXDを使って関係者全員がオンラインでコメントを付けられる環境を用意するなど、ツールを活用する方法が紹介されました。
分業化が進む中、各役割が混ざり合うのを避けるのではなく、摩擦を無駄だと思わない、良いことだと受け入れるのが共創の第一歩、という話で締めくくられました。

まとめ


受託案件に関わったことのあるWebデザイナーさんなら「ワイヤーフレーム通りに作ったのに何度も修正させられた」「最終工程になってクライアントからNGが出た」といった経験があるのではないでしょうか。
今回はそんな悩みをテーマにした、講義あり・ワークショップあり・トークセッションありの盛りだくさんなセミナーとなり、総勢44名の参加者が熱心に聞き入っていました。

参加者のアンケートでは9割以上の方に満足いただけました。
また「初めてペルソナを作った」「ペルソナやCJMの必要性がわかった」「今後デザイナーがUX設計に関わる方針なので参考になりそう」といった回答もあり、これからUXデザインについて学んでいかれる方が多い印象を受けました。

最後の質疑応答で、受託案件だとUXデザインを取り入れるのが難しいといった意見も聞かれましたが、まずは小さくやってみる→実感を得る→徐々に範囲を広げる、というアドバイスがあったように、本セミナーが一歩踏み出す機会になれば嬉しいです。

デジタルハリウッド株式会社

デジタルハリウッド 本科 UI/UXD 専攻「UXデザイン実習 ユーザーテスト」レポート

理事の辻尾です。2018年10月27日(土)にデジハリ大阪校のUI/UXD専攻コースにて「UXデザイン実習 ユーザーテストとプロトタイピング」の講義を行いました。2018年の4月から新しく始まったUI/UXD専攻コースで当団体ではUXデザインの講義を担当しております。 UIデザイン、ユーザーテスト…

more
Speaker
大阪府

スタートアップのための「デザインスプリント」

こんにちは、XDUnit 理事の辻尾です。 2018年9月27日と10月4日の2日間に渡って、スタートアップのための「デザインスプリント」をワークショップ形式で実施させていただきました。 本来5日間かかる「デザインスプリント」を、なんとたった6時間で凝縮して実施しました。 『ワークショ…

more
Seminer / Study group
ヤフー株式会社

Osaka Mix Leap Study #14「デザイナーが実践するコンセプト設計のプロセス」レポート

研究員の荒木です。2018年5月24日(木)に開催されたヤフー大阪「Osaka Mix Leap Study #14」で、シナジーマーケティング株式会社でコピーライターをなさっている岩野 聖一郎さんと、弊団体理事の辻尾が登壇いたしました。 「Osaka Mix Leap Study」と…

more
Speaker