研修 すみれ建築工房

体験ワークショップ「建築設計者のためのUXデザイン入門講座」レポート

理事の辻尾です。2018年3月31日(土)にすみれ建築工房にて「建築設計者のためのUXデザイン入門講座」の講義を行いました。

すみれ建築工房様は、「女性プランナーによるきめ細やかな提案と自社設計」を強みとされており、自社設計のプロセスにUXデザインが活用できるとお考えでした。

今回は初心者向けとして、座学と2時間の体験ワークショップを実施しました。

UXデザイン講座

本講座のワークショップテーマは、住宅〜インテリアまで幅広く対応される建築士の皆様にご参加いただきました。

建築士の皆様の実務にまつわる住宅、インテリア、住まい方などにテーマを寄せ「新しい【豊かな暮らし】を実現するリビングルーム」を考えながら、プログラムを体験できるように組み立てております。

講座開始

まずは、「そもそもUXとは?」から始まる基本的な座学を30分ほど。普段聞き慣れない横文字の言葉を多く使ってしまい、参加者はちょっと苦戦されていた模様でした…(以降気をつけております。。)その後、「やってみたほうが早い!」と、早速ワークショップへと移ります。

UXデザイン講座

まずは「ユーザーを理解する」ために、ユーザー調査です。

お互いに、家の中で好きな場所に関してインタビューをしていきます。インタビューを進めながら、その人の意外な一面に気づいたり、「その気持わかる!」と話がもりあがったり。みなさん聞き上手でとても盛り上がりました。

インタビューから得られた情報をポストイットに書き出し分析。何が課題なのか?何がしたいのか?を何度もポストイットを移動させ、構造化し整理します。

UXデザイン講座

いくつか抽出された課題から、解決するべき課題(それが解決されれば豊かになる!)を定義します。

「共働きママ」の満たされない気持ち

本ワークショップでは、「共働きママ」の課題に共感されている方が多数いらっしゃいました。共働きママのインタビューから以下のような気持ちが浮かび上がってきました。

  • 家事もしっかりしたいけど完璧にはできない
  • きちんと出来ないから中途半端に思えてしまい、達成感が無い

本当は、家事も好きだし・丁寧にやりたい。でも出来てなくて、私全然だめだよな。。という満たされていない気持ち。
そもそも、忙しい働きママがやらねば!と思っている家事。本当にやらなきゃいけないの?働きママの家事を減らして、かつ罪悪感を感じない提案って何ができるだろうか?と、サービスアイディアへと繋がっていきました。

アイデアシート

話しているうちに、以下の行為にスポットが当たります。

  • 食器棚に食器を片付ける
  • 洗濯物を畳んで仕舞う

これって、やらなくっても生活には問題なくないよね。そもそも片付けなくてもいいような仕組みを用意すれば罪悪感はうまれないかも。片付けない・畳まない設計をしてはどうか、と発想が広がりました!

今までの<当たり前>を疑い、かつ働きママの<ホンネ>に寄り添ったアイディアが沢山でました。(すみれ工務店代表 高橋様の着眼点・発想力にはとても勉強になります。。

 

表面的には見えてこない潜在的なニーズを形に

すみれ工務店の高橋代表のブログに、UXデザインの本質的な部分に関してとてもわかりやすく書かれていました。

私たち注文建築や店舗の設計施工をするものは、1番初めにまずクライアントからのヒアリングから始めます。しかし、建築のプロでは無いクライアントは間取りやレイアウトなど的確に言語化して伝えるられるはずもなく、私たちは表面的には見えてこないクライアントの潜在的なニーズや問題を汲み取って設計の中に落とし込まねばなりません。まさにクライアント自身がまだ気づいていないまだ見ぬ素晴らしい体験、新しい住居での楽しい暮らしを言語化し、図面化し実際の建物にして提供しなければならないと言う非常に難しい仕事です。この難しい部分を探り当て明確にして実際のものづくりに生かすと言うのがUXデザインの基礎となります。

利用者が自分の言葉で「あれがほしいな」を明確に表現するのは、実はとっても難しくて高度な事です。お客様自身も気づいてないような「あったらうれしい」「あったらほしい」を形にして、ご提案する。それがデザイナーに期待されている役割であり仕事の本質なのだと思います。

まとめ

本講座は入門編ですのでかなり足早に体験をしていただきました。
その中で、ユーザーやお客様は自分の欲しいものを言語化できない。だからこそ、観察・発見して価値提案していくことが大切で、とっても難しいのだ、ということがお伝えしたかったことでした。

はじめてのプロセスに「まだもやもやが残っている」とおっしゃられている方もいました。

私はその「もやもやが残る」こともとてもとても大事なことだと思うのです。

「わかった!」とカンタンに理解してしまうのではなく、「私は本当にお客様のことわかっているんだろうか?」と、自分自身に問い続ける。それ自体がとても大切なヒントであり、遠回りなようで一番の近道のように思います。

これらを体験し、今後の建築設計のプロセスに対して・よい関わりができれば幸いです。

 

参考リンク

建築設計者のためのUXデザイン講座やってみた。

一般社団法人DCC

DIMO「UXデザイン活用推進に向けたワークショップ実施とガイドブック制作」事例

理事の徳見です。2017年10月〜翌年にかけて、一般社団法人DCC様のDIMO(大阪デザインイノベーッション創出コンペティション)の平成29年度イベント企画「UXデザイン活用推進に向けたワークショップ実施とガイドブック制作」を実施いたしました。 DIMOとは、クリエイティブ資源(デザイナー・ク…

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